HPLC純度試験は、医薬品・化学品の品質管理において最も頻繁に使われる分析手法のひとつです。しかし「とりあえずC18カラムで逆相」という選択が、後になって大きな問題を引き起こすことがあります。CoreLab DEXに持ち込まれる分析相談の中でも、カラム選択と移動相条件の設定に関するものが特に多いです。
カラム選択の考え方 ¶
逆相HPLCではC18カラムが最初の選択肢になることが多いですが、化合物の極性・イオン化状態・分子量によっては、C8、フェニル基修飾、または混合モードカラムの方が適している場合があります。特に塩基性化合物では、シリカ基材のC18カラムでピークテーリングが起きやすく、エンドキャッピング処理の有無や残存シラノール量を確認することが重要です。まず化合物のlogPとpKaを確認し、それに合ったカラムを選ぶことが遠回りのようで近道です。
移動相のpH設定 ¶
イオン化可能な化合物の場合、移動相のpHはピーク形状と保持時間に大きく影響します。一般的には、pKaから2単位以上離れたpHで移動相を調製することで、イオン化状態を一定に保ち、再現性の高い分析が可能になります。リン酸緩衝液(pH 2.5〜3.0)やギ酸アンモニウム緩衝液(pH 3.5〜4.5)がよく使われますが、LC-MS/MSと組み合わせる場合は揮発性の緩衝液を選ぶ必要があります。
検出波長の選択 ¶
UV検出器を使う場合、化合物の吸収極大波長(λmax)を事前にUVスペクトルで確認しておくことが基本です。λmaxで検出すれば感度は最大になりますが、不純物の検出には210〜220 nmの低波長を使う方が、吸収を持たない不純物も拾いやすくなります。ただし低波長では移動相の吸収も大きくなるため、溶媒のグレードと脱気の徹底が必要です。ダイオードアレイ検出器(DAD)を使えば、複数波長のデータを同時に取得でき、不純物の確認に役立ちます。
システム適合性試験の重要性 ¶
分析を始める前に、システム適合性試験(SST)を実施することを強くお勧めします。理論段数、テーリングファクター、繰り返し注入の精度(RSD)を確認することで、その日の装置状態が分析に適しているかを客観的に判断できます。CoreLab DEXでは、すべての分析の前にSSTを実施し、結果を報告書に添付しています。
HPLC純度試験の条件設定でお困りの場合は、CoreLab DEXにご相談ください。メソッド開発から受託分析まで対応しています。分析のご相談はこちらから。